熱海の宿で涙目になりながらMac OS Xを再インストールし続けた話
情報科学若手の会という集まりがある。下は学部生から上は2^5歳くらいまでの30人余の若手が集まり、宿に引きこもって、朝から翌日朝まで討論を続ける非常に濃いイベントだ。9月17日―19日に熱海で行われた第42回の同会に参加したので、感想をちょこちょこっと書く。まともな感想記事が読みたかったら、このタブは今すぐ閉じて別のブログをおググりください。
組織とか
「社団法人情報処理学会プログラミングシンポジウム委員会情報科学若手の会」みたいな長い名前が、おそらく正式名称になる。情報科学若手の会(若手の会)は、上記の長い名前の通りプログラミングシンポジウム(以下プロシン)の下部組織だ。若手の会は文字通り若手の集まりだが、プロシンでは教授クラスの方々も集まり、高度な議論を交えるという*1。
現地入り
開始時間よりもだいぶ早く来宮駅に到着した私は、あいにくの土砂降りを見て駅舎で立ち尽くした。そこで@overlastさんに遭遇。DSIRNLPという勉強会の首謀者だ。一緒にいた竹迫さんに傘をお借りしてコンビニまで走った。竹迫さん、ありがとうございました*2。しばらくしたら旅館の送迎車が到着。車のドアに足を挟まれたイケメン戦士の悲痛な叫びが耳に残ったが*3、私は宿で休憩させていただいた。宿についたら、湯上りの@mamorukさんに遭遇*4。
長机を並べた部屋に着席。そこが3日間の戦場だ。しばらくして@iroha_dearさんが到着したので挨拶する*5。開始予定時刻をいくらか過ぎた後に、開会の儀がはじまるも、幹事数名が首都高にハマっていて遅れるという悲しいお知らせが伝えられ*6、追悼ムードに包まれながらも、参加者全員の自己紹介に移る。私以外はみなスライドを用意してきたようで、肩身が狭い思いをした*7。
その後、面白い発表が2泊3日の間に目白押し。例えば以下のような。
招待講演、岡野原さん『研究・会社・生き方について』
招待講演として岡野原さんからの発表があった。1つのテーマについて語り続ける一般的なプレゼンではなく、参加者から事前に寄せられた質問に次々と答えていくという、おもしろいものだった。とは言っても岡野原さんのプレゼンは、一問一答の簡単なものではなく、最近流行りのザ・インタビューズのように、小さな質問をきっかけとして多くのことを語ってくださった思う。以下に私が感心したことを箇条書きで書く*8。
- 本として出版されているような情報は、もはや一部の人にとっては常識の内容。その人達に追いつくのは簡単じゃない
- 10年後の社会を妄想し、その時代に必要とされるものを考えて、研究・開発を行う*9
- その妄想をするためには時間が必要。毎朝、毎晩の徒歩17分の通勤時間は、結構重要らしい。私もそういう時間欲しい*10
- 起業に際しての話。実務・財政の面、メンタルの面でのノウハウ
- 岡野原さん自身、数年前に若手の会に参加して接尾辞配列というものを知り、数日間本気で勉強したという。これも一つの契機になったとか
箇条書きにしても面白さは伝わらないと思うが、私はこの講演で、結構なモチベーションをもらった。
戦士の発表
誤解があるといけないので、詳しく書きませんが、@overlatさんの話はすごく格好よかった。面白おかしく語ってるけど、内容は真剣そのもの。まさに生きることは戦うことなのだなと、感心させられた。でも私はあんな強い社会人になれる気がしない。働きたくないでござる!
差し障りない範囲で面白い話をひとつ挙げると、同僚が一日一冊に近い勢いで次々とラノベを消化しつつも、しっかりと成果を上げるらしい。かっこいいシビれる憧れる。趣味も仕事も本気になりたい。
深夜の部
深夜の部はどんちゃん騒ぎで楽しい。酒が入って皆さん好き勝手に話すので、本当に色々な話が聞ける。研究で作ったハードウェアを持ってくる人もいれば、その場でbotを作る人もいる。温泉に入ってもよし、寝てもよし、飛び込みでLTしてもよし、なんでもありだった。特に@iroha_dearさんの恋バナを聞けて、ごちそうさまという感じ。
深夜の部::小町さんにインタビュー
そしてTokyoNLP以来1週間ぶりにお会いした@mamorukさんを取っ捕まえていろいろとインタビュー。おもしろい経歴の持ち主なので、その時々の転機などを聞き、氏の半生に迫った*11。
留学したときの苦労談などを聞く。「読み書きは日本で勉強しても、留学先で勉強しても大差ない。留学先で身につくのは、たとえ文法的に間違っていてもペラペラと喋れるような度胸」というのが印象的だ。留学当時TOEIC何点だった、はじめの1ヶ月は辛かった、交換留学制度で穴場に応募したら受かった、などの実際の話も具体的で参考になる。
他にもアノテーションの話や、哲学の話や、今の専門に移ったきっかけなどを次々と質問させていただいた。1つの質問に対してプラスアルファか、それ以上の答えをいただき、一言一言が勉強になる。
深夜の部::女帝の部
@yamashitamさまにご挨拶する。番長キャラの怖い人なのかと思ったら、そんなことはなかった。LTの質疑応答で、私の目の前に正座して畳に額を付けて小さく丸まってる*12のを目の当たりにした時には萌えた。それの破壊力が結構大きく、他の話を忘れてしまったので「女帝さんまじ女帝」の一言で片付けさせてください><
#macosxinstallbattle
ところで私は、会場でひたすらMacOS Xを再インストールし続けていた。隣の席に座った人たちは「さっきから君は何やってるの」と不審に思っていたようだが、そのたびに私は、涙目でこう答える。
ファイルシステムが壊れたのか、HDDが壊れたのか、とにかくディスクに異常があるんですよね(´・ω・`)
昨日からその兆候があったのですが、とうとう使えなくなったので、再インストールしています(`・ω・´)シャキーン
若手の会の開催期間中にMacOS X Snow Leopardを再インストールした回数で競ったら、42回の歴史を誇る若手の会の中でもダントツで優勝だろう。だがその苦労も虚しく、結局諦めることに。閉会間際、仕方ないから16GBのUSBメモリにインストールして、もっさりとしたMacOS XにTwitterクライアントを入れて遊んでた。
余談ではありますが、つくばへの帰途、秋葉原でSSDを購入し、今は非常に快適な生活を送っている。取り出したHDDは、とりあえず机に飾ってる。忙しいのでまだ復旧できていない。ちょっとぐんにょりしたが、考え方を変えて「ホームディレクトリを空にし、心機一転気持ちを入れ替えることができた」と受け止めれば、これも若手の会での収穫の一つかもしれない。
かえりみち
@y42soraさん、@iroha_dearさんと一緒に熱海でご飯。なんとまあ、@y42soraさんにご馳走になってしまった。さすが院生は羽振りがいい。今度、何かの機会があったら、2人で筑波にいらしてください。うちの付近はおいしい店がおおいので、何かお礼をしましょう。
総評(笑)
もっと真面目に勉強しようというモチベーションをもらうことができた。ベンチャーで成功している方々の昔話を聞くと「学生時代、好きな勉強は好きなだけやったが、その分授業はおろそかになっていた」という声が多い。その一方で「学生のうちに幅広く勉強しておけば、将来読める論文が増える」という竹迫さんの話もある。この2つを両立するのはいばらの道なので、私は「おもしろそうな授業に本気で取り組もう」という自分なりの結論を得た*13。特別強い興味や目標がないのだから*14、とりあえずは両者の折衷が最善手。たぶんこれが今回のもっとも大きな収穫。
次回はぜひ発表もさせてください。来年には成人するので、その時には酒盛りにも混ぜてくださいね。
会場について
朝まで騒げるような旅館を探すのは難しいらしく、新しい宿を転々とするのは難しいとのこと。若手の会に限らず、この手の集まりの運営者はみな頭を抱える問題だろうから、そういう情報は共有できたらいいんだろうね。私としては、サークルの合宿に使えそうな宿で、設備が充実している所なら、どこでもいいと思う。リッチなホテルを借りて高い参加費を取るようでは、私はたぶん行かないかな。贅沢を言うなら、もうちょっと浴場にこだわって!
写真とか
私は、アップロードできるような写真を1枚も撮らなかったので、何もお見せできません。広報のために写真をたくさん撮っていたようなので、そのうち公式サイトで見ることが出来るようになると思います。
*1:要するに若手の会と違って、リッチなホテルにリッチな方々が集まるのだろう
*2:コンビニから出た瞬間に雨は止んだし、レーズンパンを食う暇もなかったので、コンビニに行く意味は全くなかったけどな!
*3:その後彼は病院に連行された
*4:やはり雨にやられたクチか
*5:他大学の友達増えたね!ぽぽぽぽーん!
*6:まあ誰も悪くないし、仕方が無いこと
*7:しかし私はトップバッターだったので、どうせ誰も覚えていないだろうからよし
*8:ちゃんとした文章で書かないのは、出し惜しみもあるし、労を惜しむのもあるし、どこまで書いていいのか分からないというのもある
*9:いわゆるイノベーションのことだろう。ただ真新しいだけではなく、将来必要とされる真新しいものを作るのが、イノベーションらしいぜ。最近誰かがつぶやいてた
*10:私は大学の目の前に住んでるので、そういう時間がこれっぽっちもない
*11:次は結婚の話も聞きたい!
*12:いわゆる土下座である
*13:半年後には、本気で打ち込めるものを見つけて、授業そっちのけで何かやってるかもしれないけどね